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なーお さんの日記

 
2009
2月 25
(水)
12:21
高速データロガーを使ってみた
本文

三菱から新製品

三菱電機から1月に出た新製品、「高速データロガーユニット」(QD81DL96)
QD81DL96_V.jpg

を、テスト用に買ってみました。
今ならキャンペーン中で、Q03UDECPUと1Gbのコンパクトフラッシュが付いて、9万8千円。 :-)

製品の概要

三菱のサイトでどうぞ。

想定用途とメリット

今まで、この手のロガーは

  1. パソコンを使っての高価な専用システムで収集するか、
  2. 三菱ならMX-sheetなどの簡易ロギングでお茶を濁すか

といった組み方が多かったと思います。
今回発売されたユニットを使えば、以下のようなメリットを享受できるらしい。

  1. 無償の設定ツールを使ってユニットに設定を流し込んでおけば、PCサーバーなしでもロギングが可能。
  2. ログデータはCSV形式/バイナリ形式/MS-Excelレポート形式でフラッシュカードに保存されるほか、FTPでサーバーに転送したり、メールに添付して送信したりできる。
  3. ベースに挿すので、管理CPUユニットに対しては高速なロギングが可能。 特に、ユニバーサルモデルとはシーケンススキャンタイムにリンクしたり、最小1msでデータ採取が可能。立ち上げ時のデバグなどにも活躍できるか?
  4. Etherネットや、MelsecNetなどで接続された、最大64局のCPUにアクセス可能。トータルコストを抑えてシステム化できる可能性。
  5. MX-sheetの場合、複数の接続先から取得したデータを複数のEXCELファイルに落とせなかったが、これは複数の接続先に対して複数のレポートファイルを個別に選択して保存可能。 本体にもFTP接続可能。

などなど、結構フレキシブル。

使ってみた

さて、買ったからには使ってみないとね。
いつものように、Q06HCPU+Q173モーションCPUのシミュレータに、挿してみました。

本当は、一緒に購入したQ03UDEとマルチCPUで試したかったのですが、このCPUはQ173CPUとは組み合わせ不可。 仕方なく、従来構成でやってみました。 モーションで1軸を連続往復動作させ、高速ロギングできないので最小周期100msで取得。

23.jpg

ビューアー

専用の無償ソフトは、MelfansWebで配布しています。 このビューアーを使って、直接見たところ。
24.jpg

まだ色々使ってみてないけれど、それほど悪くはないかな。

レポート機能

今回の目玉だと勝手に思っている、EXCELレポート機能。
残念ながら、レポートのレイアウト(テンプレート)ファイル作成には、Excel2003か2007が必要。 ただし、一旦作成してユニットに流し込んでしまえば、以後の編集にはExcel-XPでもできた。 :-)

取得したデータ

25.jpg

事前に編集したレイアウトに基づき、上のデータがレポートになった状態。

26.jpg

ポイントは、EXCELで事前に設定できることしかできない、ということ。 細かな修正が必要なら、マクロを組み込んでファイルを開いた時に処理するなどが必要かも。

という感じで、なかなか使い道は広そうだ。

難点として、

  • ファイル保存の際のファイル名に、タイムスタンプ方式を使えない。 サーバーに転送した後で自分で何とかする必要あり。

これは早急に改善していただきたいと思います。

閲覧(57897)

コメント一覧

投稿ツリー

トピック


なーお  投稿日時 2009/3/2 14:00 | 最終変更

高速データロガーユニットの続報です。
使ってみないと分からない情報ですので、掲載しておきます。

問題点

EXCELレポート機能を使って、トリガロギングを行う場合。
よくMX-sheetでやったりするシンプルな機能なのですが、レポート(日報)を1日1回保存までなら問題ないのですが、これを1日2回以上に分割して(直報を)行おうとすると、不都合が生じます。
(トリガ機能をロギングトリガとして使っていない場合は、トリガ信号で保存をかけられるので回避可能です。)

原因

 レポートのファイル保存と、その作成元となるトリガーロギングのバイナリーファイル保存を同期する方法に、制約があります。
 これらのタイミングが同期していないと、レポート内容が更新されなかったり、最悪は空のレポートになってしまったり、意図したレポートにならない可能性が生じます。

  • EXCELレポートファイルの保存は、8つまでの複合OR条件を保存トリガ設定が可能です。
  • ところが、トリガーロギングのほうは、バイナリーファイルの保存条件として、
    1. 行数(レコード数)指定
    2. ファイルサイズ指定
    3. 条件指定
      • 定周期(1~86400秒)
      • 時刻指定 ・・・ 設定は1つだけしかできない。
      • ユニット起動時
      • トリガロギング単位

 となっています。 この中で、条件指定の時刻指定を、EXCELレポートファイルの保存直後にしたいのですが、この設定が1つしかできないために、2回以上の保存の場合にはこの方法は使えません。

 「トリガロギング単位」では残念なことに、データ取得に既にトリガを使っていますので、これを設定するとデータを取得するたびに、設定されたトリガ後行数を取得してファイルが変わってしまいます。

 ファイル保存の設定を、トリガ設定と同様に複数OR条件指定が可能なように、改善を望まれます。 現状、この点に関してはMX-sheetの機能も補完できていません。

まとめ

 以上のように、トリガロギング結果を1日2回以上(分割して)、EXCELレポートで取得しようとすると、素直な方法ではできないようです。 :-(

 他に方法がないか三菱に聞いていますので、分かり次第報告します。

 ちなみに、KEYENCEのDT-100Aでは可能らしい。 ただ、通信先CPU毎に1台ずつ必要になるので、複数台のCPUと通信する場合は総合価格がアップしてしまいます。

なーお  投稿日時 2009/3/3 18:55 | 最終変更

ほぼ解決

上記の問題は、
取り急ぎ、以下の方法でできそうですね。
 (以下、保存を1日2回に分離するとして・・)

  1. トリガロギング設定、レポート設定とも、2回分それぞれの分を作成(各2設定)
  2. トリガロギング設定の、「トリガ」設定で、各々の監視する時間に応じた「期間設定」をする。 こうすることで、バイナリファイルも監視時間分だけロギングされた物が2ファイル別々に作成される。
  3. 2つに分けたレポート設定で、それぞれのレイアウト設定にて、上記の夫々のバイナリデータを指定する。

ただ、この方法でも時間指定だけなので完璧ではないです。 切り替わり時刻にちょうど収集トリガが立った場合を考えると、データを取りこぼす危険性があります。

バイナリファイル保存もトリガ指定したいですね。
そうすれば、EXCELのファイル保存とのタイミングを、PLC内シーケンスで調整できます。

しかし、もっと使いやすくならないものかねえ。。 これだと3交代職場の直報は、3つずつ作らないと・・ :-(
次期バージョンに期待しますか。

なーお  投稿日時 2009/3/6 11:37 | 最終変更

主題の件、現状のユニット仕様ですと、MX-sheet互換の機能を行うためには、添付EXCELのようなPLCとのハンドシェークが必要になりそうです。

timing_chart.jpg

特に、レポートの際にEXCEL保存?トリガロギングのバイナリファイル保存を、PLCからのBitトリガで同期する仕組みが無いので、本来のロギング動作をその間、必要以上に長めに待たせるような処理が必要になってきます。
(つまり、実際の時刻と記録時刻とのズレが大きくなる)
(1日1回の日報でも、同様です。)

なーお  投稿日時 2009/3/10 17:57 | 最終変更

うーん。。 訳のわからない仕様が判明し、上記のタイミングチャートではうまくいかないですね。

EXCELレポート保存時、バイナリファイル2つを参照する

 EXCELのレポートファイルを保存する際に参照するバイナリファイルファイルは、最新の2つとのことです。 そんなこと、マニュアルにも書いてないし、分からないよ! :-?
 全く意味不明な仕様ですが、とにかく上記のタイミングチャートでは古いほうのファイルのデータも引っ張ってきてしまうので、日報にはなり得ません。

解決策案

 先にバイナリファイルを更新しておくことで新しいバイナリファイルを空にし、古いほうのバイナリファイルに必要なデータを残します。 これら2つのファイルから日報に保存される。。。 ということで大丈夫になりそうです。
 ハンドシェイクが必要であれば、シーケンサ側でバイナリファイル名の変化をバッファメモリで見て、それで日報ファイル保存のトリガを掛けます。

修正タイミングチャート

 こんな感じかな。

timing_chart2.jpg

使ってみないと分からないことが、色々ありすぎる。。 :-?

** 追記
マニュアルには、申し訳程度に文章の説明がありました。(9?1章)
それから、この案も結局無意味でした。 下の投稿を参照。。

なーお  投稿日時 2009/3/13 11:35 | 最終変更

もうひとつ、新たな問題が発覚しました。

 データロギングのバイナリファイルの「保存」を時刻指定しても、実際の保存は、その時刻を経過した後の最初のトリガ直後、とのことです。 :-(
 想像するに、トリガと保存が重なった時のデータ欠損を避ける狙いの仕様だと思います。

 ということで、上の投稿でタイムチャートで提案した「日報作成時刻マスク」は役に立たないばかりか、保存時刻を早めに設定したとしても、トリガ時刻が日付をまたいで前後するので、日付変更時刻付近のデータ1つは、当日の日報に入ったり翌日のほうに入ったりするわけです。 (実際には、当日と翌日の両方に入るデータが1つ存在するので、EXCELにマクロを乗せて余分なデータを削除する方法をとりました。)

この件も、マニュアルで見つけられません。

あ”ーもう、融通が利かなすぎます。
こんな単純な日報すらまともに作成できない製品だとは。 まったくもって、イヤになってきた。。

なーお  投稿日時 2009/3/19 23:02 | 最終変更

高速データロガーユニットで、またまた不思議な仕様を一つと、 珍しいバグを発見したので、注意情報として書いておきます。

  1. データへのINDEX付加機能の制約
     トリガロギングを行うと、トリガの度にINDEXが初期化される仕様らしい。 ということで、トリガの度に「1」に戻ってしまうので、マニュアルに書いてあるような「データの連続性のチェックのためにINDEXを付加」する使い方は、この場合はできません。

  2. FTPサーバーの「MDTM」コマンドで日付ズレ
     データロガーユニットのFTPサーバー機能にユーザー側のFTPクライアントから接続する時、「LIST」コマンドでは正しい日時が返ってくるのだが、「MDTM」コマンドだとなぜだか丁度1ヶ月前の数値が返ってきます。 (FFFTP、NextFTPで確認済)

 経緯をこちらに書いたとおり、不幸中の幸いでphpで書かれたftpクラスを使っていたので、「ftp_mdtm」をコピー・改変した「ftp_mdtm2」関数を作って使うことにしました。 再配布もOKらしいので、そのソースを下に貼っておきます。

fileftptool.txt

 はあ。。もう疲れたよ。 :-(

なーお  投稿日時 2009/3/25 22:05 | 最終変更

本日、EXCELレポート機能でもうひとつ問題が浮上。

例えばシステムの立ち上げ時など、ロギングされたバイナリファイルの始めのほうに不要なデータが入ってしまうことがありますよね。

それを削除しようと思って、設定ツールのファイルブラウザを使って「LOGGING」フォルダ内の当該「.BIN」ファイルを削除すると、、 そのロギングファイルデータを参照するEXCELレポート機能がコード「07E4H」の「レポートソースファイルエラー」で当該レポートが止まってしまいます。 (他の機能は継続)

削除されたロギングファイルは、新たに採番が始まって正常に保存されますが、 そのファイル名がEXCELレポート機能側で期待するファイル名と違うということらしい。

これを回避するには、「シーケンサリセット」が必要とのことです。 んー、マジですかぁ? 今回もマニュアルに記載無しです。

試しに、当該レポート機能を消去した設定を書き込んでも、使い先も無いはずのトリガを監視してしまっているのか、上記と同じエラーを無意味に吐き続ける始末。  :-?

これは少なくとも設定ファイルの上書きで初期化(最新ファイルを参照)するように改善していただかないと、まずいっす。

ご使用の皆様、どうぞご注意を。

なーお  投稿日時 2010/8/7 10:53 | 最終変更

この記事の参照数が多いようですので、補足しておきます。

 使用可能なCFメモリについてですが、秋葉原で買った汎用品を使用しました。 トランセンドブランドだった気がしますが、2GBで1,300円くらいでした。問題なく連続稼働しています。
  (たぶん、コレだと思います。)
  
 なお、高速データロガーユニット自体のほうは、2010年6月22日のバージョンアップで、タイムスタンプ式ファイル名への対応や、トリガ指定の拡張などの改善がされているようですので、最新の機能はマニュアルでご確認ください。
 (マニュアルを見ても、なかなか解らないことが多いですけどね。。)



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